チャトランガ(CHATRANGA)は、お坊さんで平和活動家の遠藤喨及氏が”世界を変えたい” という思いから創った、将棋やチェスのように二人でやる戦略・戦術のゲームです。

コマは砲兵、歩兵、戦車の3種類しかなく、ルールはとてもシンプルなのですが、実際にやってみると実に奥深いものになっていることに気づきます。

1.ルールが表現しているのは、「自然は循環する」という東洋思想

ルールに織り込まれた思想は、全部で3つあります。

1)自然界に絶対的な強者はいない

自然界には、絶対的な強者というものは存在しません。天敵が必ずいます。このゲームで第一に表現されているのは、「絶対的な強者がいない世界」です。“戦車は歩兵に勝つ。でも、砲兵には負ける。 その砲兵も歩兵には負ける。
そして歩兵は、、、”というように、すべてにおいて循環し、絶対的に優れているコマは存在しません。

2)存在の意味は、自然環境などの状況によって変化する

大自然においては、状況次第で個々の存在の持つ意味が変わります。
これを表現しているのが、「歩兵だけが森や湖を超える。戦車だけが山を超えられる」というルールです。

 

3)希少価値という経済の法則

またチャトランガ(CHATRANGA)には、“少ないモノにはより価値がある”、という経済の法則が織り込まれています。
このため、各種類のコマの数が違います(歩兵6、戦車4、砲兵2)。

実際、数が少ないコマほど、盤上での必要性(すなわち価値)は高くなります。
少数派は人間社会では軽んじられることが多いです。
しかしこのゲームを通じて、少ない存在ほど価値があることの意味を、無意識に汲み取ってもらえるように、と設定されています。

2.平和を目指しているのになぜ戦争ゲームなのでしょう?

1)古代インドの 精神的な源流

将棋やチェスの源流は、古代インドの高僧が、戦争好きの王様に戦争をやめさせるために創ったゲーム、“Caturanga”(Wikipedia参照) です。 CHATRANGA(チャトランガ)はこのスピリットを受け継いでいるのです。

2)仏教的な逆転の哲理が土台

仏教には、「煩悩が悟りだ」という逆転の哲理があります。
仏教の哲理を土台とするチャトランガ(CHATRANGA)には、「戦争を平和へと反転させよう」という、逆説的な願いが込められています。

3) 極限状態をモチーフにしている

ゲームのモチーフを、戦場などの極限状況にすることで、『人生の岐路に立った時と、同じ脳の部分を使う』ことになります。

◎ チャトランガ(CHATRANGA)の目的や意義

1.コミュニケーション・ツールとして

1)自然と対話するゲーム

理詰めで読み合う将棋や碁と異なり、チャトランガはサイコロを使います。
このため相手との対戦を通じて、自然や運気との対話が無意識に行われるのです。

2)人生成功のトレーニング・ツールとしてのゲーム

人生において目標を実現するには、戦略を立て選択を決断していくことが必要です。 ゲーム・チャトランガ(CHATRANGA GAME)もまた、戦略を立て選択を決断して行くことの連続です。 このためそしてチャトランガの盤上には、無意識にその人の人生観が表現されることになります。

子供達には、チャトランガを通じて、人生成功の戦略や決断のスキルを磨いてもらい、せひ良き未来を創ってもらいたい、と願っています。 チャトランガは、人生成功をシミュレートする「脳トレゲーム」なのですから。

3)人と人が友だちになるツール

チャトランガ(CHATRANGA)のスローガンは、『創ろう! 世界中に友だちを、孤独と国境のない平和な世界を』です。
NPOアースキャラバンは、世界中の人々が友だちになることで、 世界が平和になると信じています。
チャトランガは、世界の誰とでも言葉を介さずにお互いの人生観を語り合うことを可能にします。
これは、国境を超えて “人と人が友だちになるツール” なのです。

◎ チャトランガ普及事業部の内容

・チャトランガ・ゲームを通じた地域コミュニティ作り。
・国際的なネットワーク作りによる国際平和親善
・不登校の子供たちのための友だち造りのサポートなど
・ボードゲーム・チャトランガ大会の開催
・アースキャラバン等、各地イベントへのチャトランガブースの出店

◎ チャトランガのプレイヤー対象者

・国籍問わず、子ども(小学生以上)から大人まで。

◎参考資料(これまでの活動実績・頂いた感想の紹介)

・2016年6月 カナダ・トロントでのCHATRANGA GAME(チャトランガ大会)

参加者23名。アースキャラバンのトロントでのイベント終了後、みな思い思いにゲームを楽しんだ。新人のアイリヤス(レバノン出身)は、はじめての参加にも関わらず、まさかの3連勝。大喜びするアイリヤスをみんなで祝い、大会は温かいムードに包まれた。

・2015年4月東京タオサンガセンター・チャトランガ(CHATRANGA GAME)大会

春休みで子供達を交えて、大人も子どもも交えて21名が、平等に対戦。
千葉から参加のA君(小学1年生)は、大会が楽しみで昨夜はあまり寝つかなかった、とはお母さんの談。

・2014年11月 野方児童館や養護施設内でのチャトランガ大会

毎回、十数名が参加。以下は、NPOアースキャラバン・チャトランガ部スタッフの感想です。
「小学校1年生の子どももすぐにルールを覚えてプレイしています。1〜2ヶ月後にまたやっても、しっかり覚えています。
ゲームをしながら、自分のことを話す子もよくいますね。その内、自分の好きなおもちゃを見せてくれたり、折り紙を折ってくれたりと、だんだん打ち解けていきます。
すごく負けず嫌いだった子が、ある時自分より下の子に勝たせてあげているのを見て、感動しちゃいました。
男性スタッフに勝つとすごく嬉しいみたいです。
一般に、将棋を覚えたりするのは、お父さんに教えてもらうものだと思うので、子どもたちにとってこういう遊びは必要なんだな、と思います。

・2014年2月 バングラデッシュ、コックスバザールでのCHATRANGA(チャトランガ)大会!

コックスバザールでの大会は、大学生も交えて500人以上 が参加。 会場は一日中熱気に包まれていた。
そして三位までの入賞者が、文房具など商品を獲得した。

<これまでに頂いた感想の抜粋>

・このゲームなら、面識のない人どうしでも友達になれそうです。(男性/日本人)
・終わった後は、まるで一本の映画を見たみたいな気分になりますね。(女性/オーストリア)
・観戦していると、プレイヤーの正確が見えてくるのが面白い(男性/カナダ)
・いろんな国の人と対戦してみたいです(12歳女性/カナダ)
・頭の体操ですよ。作戦を練ることで智恵がつくような気がしますね(男性/バングラデシュ)
・ルールがシンプルでたのしい!!(15歳男性・/日本)
・将棋のように、攻め時守り時を考えないといけないところがおもしろいです。(28歳男性/日本)
・チャトランガ、おもしろさに理由はありません(38歳男性/日本)
・大好きな将棋と、すごろくが合体したみたい。すごくおもしろかった(8歳女子/日本)
・将棋じゃなくても、将棋みたい。ああ、楽しかった(9歳女子/日本)